Indeedに求人を出したものの、最初だけ少し反応があって、あとは静かなまま——医療・介護の現場でよく聞く話です。

原稿の書き方に問題があることもありますが、それだけではありません。無料掲載には仕組み上の制約があり、それを知らずに「出しっぱなし」にしていると、時間とともに見られなくなります。

この記事では、無料掲載の制約を整理したうえで、費用をかけずに続けられる運用の方法をご紹介します。

※ Indeedの仕様は変更が多い領域です。本記事は2026年8月時点の情報にもとづいています。

無料掲載の3つの制約

まず、前提を押さえます。

制約1|表示順で有料に勝ちにくい

無料掲載は、有料掲載(スポンサー求人)と比べて検索結果の表示順位が低くなりやすい設計です。同じ地域・同じ職種で有料掲載が多ければ、そのぶん下に沈みます。

これは仕組みなので、原稿を工夫しても覆せません。前提として受け入れたうえで、他の部分で戦う必要があります。

制約2|時間が経つほど露出が減る

ここが最も重要です。掲載から時間が経過するにつれ、露出は徐々に減っていきます。さらに90日間更新がないと「休止中」となり、検索結果に出なくなります

つまり無料掲載は、出した直後がいちばん見られ、放置するほど沈んでいくという性質を持っています。「出したのに応募が来ない」の多くは、原稿が悪いのではなく、すでに見られていない状態です。

制約3|1求人につき1職種・1勤務地

Indeedは「1求人につき1職種・1勤務地」を原則としています。1つの原稿に複数の職種や雇用形態を詰め込むと、検索の軸がぶれてターゲットを絞れず、かえって表示されにくくなります。

これは制約であると同時に、正しい作り方の指針でもあります。前の記事で書いた働き方ごとに求人を分けるという考え方は、Indeedの原則とも一致しています。

ただし裏を返すと、同じ職種で条件違いの求人を同時に何本も出すことはできません。「看護師(日勤のみ)」と「看護師(夜勤あり)」を両方出したくても、無料枠では基本的に1本です。

制約とどう付き合うか

ここからが本題です。制約は変えられませんが、付き合い方は選べます

原稿は、ハローワーク用に作ったものを使う

Indeed用に一から原稿を書き起こす必要はありません。ハローワークに出すために作った原稿がそのまま使えます。

前の記事で、働き方ごとに求人を分けることをおすすめしました。

  • 看護師/日勤のみ・残業ほぼなし・ブランク可
  • 看護師/夜勤専従も可・夜勤手当あり
  • 介護職/未経験歓迎・研修あり
  • 介護職/経験者・リーダー候補

ハローワーク側でこうして分けておくと、訴求の異なる原稿が手元に何本か貯まった状態になります。これがそのままIndeedで使える素材になります。

原稿を作る手間が二重にならないのが利点です。ハローワークのために書いた文章を、そのまま流用します。

無料枠には、そのうちの1本を出す

Indeedの無料枠には、貯まった原稿から1本を選んで直接投稿します。同じ職種で複数は出せないので、どれを出すかを選ぶことになります。

最初に出すのは、来てほしさが最も強い層に向けた1本です。

2週間ほどで、別の訴求に入れ替える

そして掲載しっぱなしにせず、2週間程度で別の原稿に入れ替えます

たとえば看護師であれば、こうなります。

1〜2週目: 看護師/日勤のみ・残業ほぼなし・ブランク可
3〜4週目: 看護師/夜勤専従も可・夜勤手当あり
5〜6週目: 日勤の原稿に戻す(前回の反応を見て文面を調整)

2週間という周期は、露出が落ち切る前に手を打つという意味合いです。職種や地域の競合状況によって変わるので、まずは2週間で試し、反応を見て調整してください。応募が続いている間は無理に切り替える必要はありません。

これは順位操作ではありません

念のため書いておきます。ここでやっているのは、実際に募集している複数の職種・条件を、順番に露出させることです。

同じ内容の求人を消して再掲載し、新着に見せかける行為とは違います。そうした操作は推奨されませんし、そもそも読み手にとって価値がありません。

入れ替えるのは、中身が違う原稿だからこそ意味があるという点を押さえてください。

入れ替えると、データが取れる

この運用には、露出を保つ以外にもう1つの効果があります。

どの訴求に反応があるかが分かります。

日勤の原稿では応募が来なかったが、夜勤の原稿では来た。あるいはその逆。これは、自施設に関心を持つのがどんな人かを教えてくれるデータです。

分かったことは、次に使えます。

  • 反応が良かった訴求を、ハローワークの原稿でも前面に出す
  • 職種名(28文字)に入れる言葉を差し替える
  • 見学会で強調する内容を変える

広告費をかけて調べることを、無料枠を回すだけで確かめられます。媒体費ゼロで、自施設のマーケティングデータが貯まっていくという見方もできます。

やってはいけないこと

3つだけ、明確に避けてください。

実際に募集していない求人を出さない。 露出を増やす目的で枠を埋めるのは適切ではありませんし、応募が来ても対応できません。

条件を実態より良く書かない。 表示回数は増えるかもしれませんが、入職後のミスマッチと早期離職を招きます。採用にかけた時間も費用も無駄になります。

中身が同じ原稿を入れ替えない。 職種名だけ変えて本文が同じでは、入れ替える意味がありません。少なくとも冒頭と訴求は書き分けてください。書き分けられないのであれば、そもそも1本に絞ったほうが健全です。

それでも足りないときに、有料を考える

ここまでやったうえで応募が足りなければ、そこで初めて有料掲載を検討してください。順番が大切です。

原稿が整っていない状態で有料に出すと、クリックはされても応募につながらず、費用だけがかかります。無料枠で反応の良い訴求が分かってから出せば、同じ予算でも結果が変わります。

無料で試して、効くと分かったものにお金を払う。これが安全な順序です。

まとめ

Indeedの無料掲載で押さえるべき点は次のとおりです。

  1. 無料掲載は時間とともに沈む — 出しっぱなしにしない。90日放置で休止中になる
  2. 1職種1求人が原則 — 同じ職種で複数は出せない。だから1本を選ぶ
  3. 原稿はハローワーク用を流用する — 働き方ごとに分けておけば、訴求の違う原稿が貯まる
  4. 2週間程度で入れ替える — 露出が落ち切る前に、別の訴求へ
  5. 入れ替えはデータになる — どの訴求に反応があったかが、次の判断材料になる
  6. 有料は最後 — 効くと分かった訴求にだけ払う

書くべき原稿の中身が決まっていない場合は、先に自施設の魅力を見つける10の質問から始めてください。入れ替える原稿がなければ、この運用は成り立ちません。

そして正直に申し上げると、この方法の難しさは手順ではなく、続けられるかどうかです。2週間ごとの入れ替えは、一度回し始めれば1回15分程度の作業ですが、通常業務のかたわらで続けるのは簡単ではありません。

まずは1周だけでも試してみて、反応の違いを確かめてみてください。それだけでも、自施設の求人が誰に届いているのかが見えてきます。

なお、求人を見て気になった人は、次に施設名で検索して公式サイトを見にきます。そこで何を見せるかについては、採用ページに載せる3つのものにまとめました。